【2374】セントケアホールディングスに投資するべきかどうか

今回は、高配当株という点で調べていた際に介護業界で気になった証券番号2374の「セントケアホールディングス」について深掘りしていきます。

この企業は、全国展開しており私の住んでいる北九州にも1事業所あります。

上場している介護業界で高配当は少ないのですが、セントケアホールディングスは10月の時点で株価は1株700円台と安く配当利回りは3.5%を超えており16期連続で増配しています。

高齢者のピークは2042年と言われておりそれまでは経営は安定し成長し続けると個人的には考えています。

短期的ではなく長期的な投資として私は考えており、正直余程の事件がない限りは保有し買い増しを続ける予定です。

・介護業界の高配当株であるセントケアホールディングスの配当金の推移
・セントケアホールディングスという企業について
・セントケアホールディングスに投資しようと要因

セントケアホールディングスの配当金の推移

引用:セントケアホールディングス 決算情報

セントケアホールディングス(証券コード:2374)の配当金は、2024年10月時点では16期連続で増配しています。

累進配当の宣言はされていませんが、2025~2027年の中期経営計画では2027年3月期の目標として配当性向35%台、配当金36円を掲げてくれています!

目標通りにいけば、株価が755円(10月20日時点)のため2027年には配当利回りは4.7%

そして、「将来的には配当性向40%」とあるので長期目線では更なる増配の期待も持てます。

EPSは下がっている時期もありますが10年スパンで見ると右肩上がりできています。コロナが流行した2020年は下がっていたり、感染症の流行により業績が左右されるため致し方ないのかと思いますね。

後は介護保険の法改正も介護事業は影響を受けますが。コロナ時に配当性向が44.8%にまで上がっていますが減配していない点は配当は安心できると考えます。

個人的には中間配当がなく3月期の一括配当なので配当金が入ってくる楽しみが年1回というのは残念なポイント。配当金の額も大事ですけど、もらって嬉しいという気持ちになる回数は多い方が好きです。

2019年度からの年間配当は以下のように推移しています。

配当金 配当利回り 配当性向 EPS
2019年 14円 37.3% 37.52円
2020年 15円 44.8% 33.45円
2021年 16円 26.8% 59.61円
2022年 20円 27.2% 73.54円
2023年 24円 34.9% 68.87円
2024年 25円 30.8% 81.15円
2025年 27円 3.5%
2027年 36円 4.76% 35%台

セントケアホールディングスってどんな会社?

セントケアホールディングスは福祉業界で有名な「ニチイ」や「パラマウントベッド」と違い介護業界で働いている方でも知らない方が多い企業です。

介護業界は社会福祉法人が多かったり、会社名と施設名が全く違うこともあるので施設名は地元で有名だけど運営会社名は知らないとか普通です。

私がこの銘柄に注目したのは、高配当株で介護業界の企業を探していた際にこの銘柄に出会いました。

配当利回りが3.5%と高いですが、中小企業であり、安定性に欠けるという点では配当利回りはもう少し欲しいとこですが、同じ介護職として応援したい気持ちで少しずつ投資をさせていただいています。

全国展開しているということで福岡県の事業所を調べてみたら北九州にも訪問看護が1事業所ありました。私は北九州で介護の仕事をしており、通所サービスを利用されていた方で訪問介護や訪問看護のサービスを利用している方は100人くらい出合えてきましたがセントケアの訪問看護を利用している方はいませんでした。

北九州の事業所とは北区と南区で結構離れているのも大きな理由ではあるでしょうけども。

会社のホームページも拝見しましたが、明るいデザインでロゴマークがとっても素敵だなと感じました。(業績とかでなくそこかよと思われるでしょうけども・・。)

1. 企業の基本情報

セントケアホールディングスは、1997年に設立され、日本全国で訪問介護、訪問看護、入浴サービス、福祉用具のレンタル・販売など幅広い介護サービスを提供する企業

訪問介護や訪問入浴、訪問看護に注力しており、特に訪問ケアのサービス網が充実しています。

設立当初は小さな訪問介護事業からスタートし、徐々にサービスの幅を広げ、全国規模の企業へと成長しており、東京証券取引所のプライム市場に上場。

企業理念は「人を大切にし、地域社会に貢献する」というもので、利用者一人ひとりに寄り添ったサービスを心がけています。

コロナ禍の影響からの回復に伴い、サービス拡充を進めていますが、介護業界は常に付きまとう問題ですが人材不足への対応が課題となっています。

2. 提供している主なサービス

セントケアホールディングスは、さまざまなサービスを展開しています。以下はその主なものです。

  • 訪問介護
    利用者の自宅に介護スタッフが訪問し、日常生活のサポート。食事や入浴、排泄などの基本的な介助だけでなく、生活全般の相談。
  • デイサービス
    日中に通所していただき、レクリエーションや健康管理を行うサービス。利用者同士の交流も促進され、孤独感の軽減に寄与。
  • 福祉用具のレンタル
    車椅子や歩行器など、必要な福祉用具をレンタルするサービスも提供。利用者は自分の生活に合った福祉用具を利用することができる。
  • 居宅介護支援
    ケアマネージャーが利用者のニーズをヒアリングし、最適な介護サービスをプランニングする。介護保険の申請手続きのサポートなども行う。

3. 社会への影響と貢献

セントケアホールディングスは、単なるビジネスを超えて、地域社会に深く根ざしています。地域のイベントやボランティア活動にも積極的に参加し、高齢者やその家族に対する理解を深めるための取り組みを行っています。

  • 地域イベントへの参加
    地域の祭りや健康フェアなどにブースを出展し、介護や福祉についての情報を提供。地域住民の介護に対する理解を深めてもらうことを目指している。
  • ボランティア活動
    社員が主体となり、高齢者施設でのレクリエーションや清掃活動など。地域の人々との絆を深めるとともに、社会貢献の一環。

4. 今後の展望

セントケアホールディングスはさらなる成長を目指し、新しいサービスの開発や地域連携を強化していく予定。介護業界は変化が激しく、新しいニーズが次々と出てくる中で、柔軟に対応していく姿勢を示しています。

特に、テクノロジーを活用したサービスの導入や、リモートケアの拡大など、先進的な取り組みも視野に入れているようです。これにより、より多くの人々に質の高い介護サービスを提供できる体制を整えていく。

セントケアホールディングスの売上と業績の推移

引用:株探より

直近の業績では2023年度の売上高は540.5億円で、2024年度は571.2億円が見込まれています。

30.6億円の増収となり、営業利益も前期の30.3億円から今期予想では33.0億円に増加しており、利益面でも拡大基調にあります。

ただ第一四半期の内容は法改正で訪問看護の売上が減少したのもあり前年を下回っているため、次回以降でどうなっていくか注目していますね。

自己資本も50%超えていますし安定していると思われます。

稼ぐ力として大切なROEとROAの値も高く2024年3月期はROEが13.13、ROAが6.63です。

中期経営計画(2025~2027)から投資判断のポイント

中期経営計画(2025-2027)で、医療ケア基盤の強化やAI・RPAの導入などに取り組んでいます。

今後の介護報酬の改定や在宅ケア需要の拡大に対応するためで、人材不足や今後の需要、ニーズに応えるための戦略として期待しています。

投資判断のポイント

私が考える投資判断のポイントです。あくまでも個人的な意見です。

競合のソラストやSOMPOケアと比べても安定的な配当政策ですね。

•成長の可能性:訪問看護などの医療分野の拡大が、国内外からも注目を集めているため、長期的には成長が期待
•高齢者の増加:2042年までは高齢者の増加に伴い、介護や福祉サービスに対するニーズは持続的に増加する見込み
•財務基盤:自己資本は50%超えており、財務体質は安定
•配当方針:配当性向を2027年に35%に引き上げる方針で、2024年度は1株あたり25円、次期は27円への増加予定でそうなれば17期連続増配!

リスクと懸念

私の勤め先もそうですが、介護業界は人材不足が最大の課題です。売上を増やすためには利用者を増やしコストを減らしていくしかありません。

介護報酬の改定で見直しはされていきますが、入所されている中には生活保護の方も多く年金だけでは足りず家族が手出しする場合もあります。

その中で賃上げは難しいため、現状を維持しつつ事業所を増やすなどして売上を伸ばすのが妥当です。1つ1つの事業所の売上を大きく増やすのは難しいため数を増やすのが大切ですが、そこには人材不足というのが障壁となっています。

•人材不足:外国人材の活用を含む人材確保。業績に影響するリスクも高い
•経済環境の不透明感:円安やインフレが収益に与える影響も懸念。(光熱費、食材、オムツ類など)
•感染症リスク:コロナが流行した際は介護業界は大きな影響があり今後も懸念される

円安やインフレは今後も継続していくと私は考えています。

また、先々はキーパーソンの家族が親の介護料を一部負担するというのも近い未来ではないかと思っています。

その理由としては世代ごとの資産データを見ても貯金をしていない世帯の割合が増えているからです。老後資金として資産運用や貯金をしっかりと行っている方は心配ないかと思いますが、投資をしている人口が増えたとはいえまだまだ少ないなと思うのが個人的な意見です。実際に生活保護の方は増加していますし。

また、ここ数年の流れは在宅介護をされていても1度入院してしまうと、家族が介護をしないで良いという日々が長くなると在宅介護はもう無理とか難しいから入所を希望されるケースが少なくありません。それだけ在宅介護は家族への負荷がとても大きく難しいものです。※私も介護士ですが親の介護は無理という人です。

ただ、在宅介護が無くなるかというとそれは無いでしょうから高齢者が増えつづけ、ピークである2042年までは安定した業績を続けていけると思います。その後は海外展開もしていかないと国内だけでは利用者が減少していくので厳しくなる可能性が高いです。

感染症リスクに関して

介護業界は人と人との関わり合いなので、感染症は凄く影響を受けます。

私が勤めていたところでは、コロナのクラスターが発生し35人の入所者の内2名がお亡くなりになってしまいました。陽性期間が終わって普通の生活に戻っても、食事介助が必要なかった方が必要になったりと身体機能の低下がみられ介助量が増えます。

運営していく中で、高齢者ということもあり「いつ何があるかわからない」というリスクは計算した上で運営をしていますが感染症に関しては難しく感染症の被害によって大きく経営にダメージを与えます。

コロナに関しては介護業界だけではなく、仕事のやり方も大きな見直しとなり世間では在宅ワークという選択肢が増えたりと働き方が変わるきっかけともなりましたので良い面もありますが命を預かる介護業界としては大きな影響を与えます。

感染リスクを下げるために隔離しますが、隔離できる方もいれば徘徊などで難しい方もいますし、接触することで感染リスクが高まるので入所者との触れ合いもできないため認知が進む可能性も高くいいことがないです。

赤字の事業所が改善されるか

赤字の事業所の業績が改善されていくのかが今後の課題かと思います。

連結子会社損益で「セントケアDX」「セントケア・Replus」の赤字が続いているので今後の業績に注目です。

 

まとめ


引用:株式会社アイフォーカス

セントケアホールディングスは私は将来的にも魅力に感じています。

M&Aも行っており、事業所の数も増えていってますし安定した配当に期待しています。

DXも自社の子会社が取り組んでおり、服薬支援ロボ(ケアボット)、スマートウォッチの販売をしていて、今後の介護業界はスマートウォッチを使用して利用者様だけでなく職員の行動を分析し業務の最適化という展開も期待しています。(スマートウォッチは他社と契約して販売している様子で自社製品ではなさそう)

いま、私が勤務している特養もDX化は進んでいると思っており、職員はインカム使用、入所者には眠りスキャンで異常時感知、記録の入力はタブレットで電子化、グループウェア、ZOOMを活用し会議を行っています。

腕時計に抵抗がある方もいるでしょうけども、スマートウォッチは面白いなと思います。ただ1台1台が高額なので導入は使用実績が良くないと辛いところですよね(;^_^A

ただ職員も付けるとなると行動が全てデータ化されるでしょうから、常に監視されているみたいで嫌な気もします。

DX化を他社ではなく子会社で協力しながら進めて全国の事業所に展開していけば面白いなと思いますが、そこまでの未来はわかりませんが介護士として期待したいところです。

とりあえず株価は安いので100株までは早めに保有して次の決算をみて今後継続して投資していくかは判断していくつもりです。

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