先日、2025年3月期第3四半期決算の内容が発表されたので確認していきしょう。
高齢化社会の進展とともに注目を集める、介護・医療関連の上場企業の中で私が実際に投資している高配当銘柄になります。
- セントケア・ホールディングス(証券コード:2374)配当利回り4.05%(2月10日時点)
- パラマウントベッドホールディングス(証券コード:7817)配当利回り3.55%(2月10日時点)
特にパラマウントベッドは1番医療福祉業界で期待しているので、今後に期待しています。
セントケアHD(2374):増収減益、積極投資が短期業績を圧迫
引用:セントケアホールディングスの公式サイト IRより
セントケアHDの第3四半期決算を追加した内容は以下の通りです。
■セントケア・ホールディングス(単位:億円)
項目 | 1Q | 2Q | 3Q | 累計 | 前年同期比 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 139.9 | 140.0 | 143.8 | 423.7 | +4.4% |
営業利益 | 6.2 | 6.6 | 7.4 | 20.2 | -19.4% |
経常利益 | 6.4 | 6.9 | 7.6 | 20.9 | -19.1% |
純利益 | 3.9 | 4.1 | 4.8 | 12.9 | -26.7% |
訪問看護など医療系サービスの伸長が売上高の増加を牽引しました。
セントケアHDは、四半期ごとの変動は比較的小さく、安定的な収益構造を持っているのがわかります。
しかし、他社と同様でインフレの影響で利益は前年より減少しています。人件費や経費の増加に加え、新規拠点開設やM&Aに伴うコストが重しとなり、各利益項目は軒並み前年割れとなっています。
通期業績予想は2月7日の発表で売上高563億円(前回比3億円減)、営業利益24.6億円(同5.4億円減)に下方修正となりました。
これは正直仕方がないことで、他の業種の決算をみても「人件費と経費の増加」というキーワードは多くみましたので日本企業はどこもそうなんだという程度で捉えていたらいいと思います。人件費が増えるということは年収も上がっていると思いたいですから企業としては痛いかもしれませんが各家庭としては良い事でしょう。
新規開設27ヵ所、M&Aで17ヵ所の事業所を取得
経費が増えている中でも、新規開設は凄いペースで増えていっています。
将来の成長に向けた積極投資ではありますが、新規拠点の立ち上げコストや取得関連費用などが短期的には利益を押し下げる要因となっているようです。これらが短期的には利益を圧迫する要因となっており、早期に黒字化と収益改善を目指すとしているようです。
ここで心配されるのは急拡大した際に事業所の管理職が育っているのかと心配になります。介護職員も人手不足の問題は解決していないので、人材確保というのが難しい問題となっています。後から人手不足で撤退したりなければいいですが。
配当利回りが増配により4%へ
引用:セントケアホールディングスの公式サイト IRより
配当は今後も増配していく中期経営計画になっていますので、100株で1000円のクオカードの株主優待もありますし総合すると将来的に4.5%程度は可能性高いかと考えています。
下方修正の中で当初予定の27円から3円増配で30円となり驚きましたが、株主への還元に力を入れてくれていると受け止め継続して購入はしていきたいと思いますが、本決算で訪問介護の事業が昨年と比べてどうなのか、会社として介護報酬改定の影響を見て良ければ追加投資していきたいですね。
介護業界はどこも人手不足
地域差もあるかもしれませんが、決算短信をみているとどこも人件費などのコスト増加により売上は増えても利益面で苦戦している傾向です。
人材確保をする上で、ハローワークに求人を出したり広告や紹介会社などとあります。
介護業界は慢性的な人手不足に悩まされている。人材紹介会社を利用しても、高い紹介料を払って採用しても定着率は低い。IT化の推進も、シニア層職員のスキル不足が足かせに。
社長から聞いたことですが、紹介会社には紹介料を払う必要性があり、採用した人材が長期にわたって活躍してくれたらいいでしょうけども、介護現場は実際に入社してみないと自分に合うか合わないかとわからないです。高い紹介料を払ったのに数か月で退職してしまうと、紹介料分は損失したようなものでこれが増えると利益は減ってしまい大きな影響がでてきてしまいます。
他の業界でも入社したら事前に想像していたのと違っていたという声はよく聞きますが、介護業界はより多く聞きます。
職員の教育、介護技術、チームケアのレベルでしたりデイサービスはどこも特色があり、介護職の人で転々とする方も多いのです。また50代、60代の職員も活躍しているのが介護ですが一般職員はパソコンを使用する事が少ないため、全国的に取り組まれているDX推進が上手くいかない場合もあります。
最近はインカムを使用したり、情報共有や介護記録も紙からアプリや介護ソフトと電子化していっていますが付いてこれない方もいます。付いてこれないからといって辞めてしまうと現場が回らなくなるので足並み揃えながらITスキルを全体で上げていく必要があり問題と感じています。
パラマウントベッドHD:介護事業は堅調も減益幅拡大
引用:パラマウントベッドHDの公式サイトより IR
パラマウントベッドHDの第3四半期決算を追加した内容は以下の通りです。
■パラマウントベッドホールディングス(単位:億円)
項目 | 1Q | 2Q | 3Q | 累計 | 前年同期比 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 242.3 | 244.4 | 263.9 | 750.6 | +2.8% |
営業利益 | 19.8 | 21.1 | 31.2 | 72.1 | -15.3% |
経常利益 | 16.2 | 18.3 | 41.0 | 75.5 | -20.5% |
純利益 | 10.5 | 12.2 | 36.0 | 58.7 | -10.7% |
売上面では、主力の介護事業が底堅く推移した一方、医療事業と健康事業が減収となっています。医療事業は不安ないですが、健康事業はなかなか難しいと考えているので減収が続いた際にどうするのか気になるポイントです。
利益面でも、売上総利益は拡大したものの、人件費増に加え、中長期成長に向けた投資的費用を計上したことで、営業利益は同15.3%減の72.1億円、経常利益は同20.5%減の75.5億円、最終利益は同10.7%減の58.7億円と、減益幅が拡大した。減益幅が拡大しています。
パラマウントベッドHDと言えば、医療・介護用ベッドで国内首位のシェアで世界でも上位を誇る企業です。
注目の動きとしては、心不全モニタリング事業のハートラボ社を子会社化したことが挙げられています。医療機器×テクノロジーの融合により、心疾患分野での新たな価値提供を目指す戦略的な買収と言えそうです。現在、国内の心不全患者数は約120万人、超高齢化に伴いさらなる増加が予測される中、心不全の予防・治療の高度化に寄与するソリューションの提供は、同社の中長期的な成長ドライバーになる可能性を感じさせます。
また介護業界のM&Aは増えてきているので、今後の注目するポイントだと思います。
昨年の5月にパラマウントベッドの企業に関して記事を書いていますので、良ければこちらも参考にされてください
パラマウントベッドHDが2024年5月13日に発表した配当方針の大幅な引き上げは、投資家にとって大きなチャンスとなるかもしれません。 本記事では、この医療・介護ベッド業界のリーディングカンパニーの事業内容、将来性、そして投資価値につい[…]
介護保険の不正請求の事件
上場しているサンウェルズの不正請求が話題に上がっていますね。
サンウェルズ、不正請求の調査報告書 看護行為なく加算 – 日本経済新聞
AIに調査報告書を要約してもらうと、
- サンウェルズの訪問看護事業において、1日3回・複数名訪問を標準とする不適切な運営や、短時間訪問・同行者不在訪問といった問題行為が行われていた。
- 問題の原因は、リスク分析・評価体制の不備、内部統制の機能不全、現場への教育・研修不足など。
- 経営陣は問題を直接指示していなかったが、従業員からの問題提起等で認識し得る機会はあった。
- 再発防止には、リスク分析・評価体制の導入、内部統制の整備、教育・研修の充実化、人事評価指標の見直し等が必要。
請求総額が28億円を超える規模となる試算を示しており、2月7日はストップ安となりました。
株価も不正の報道があってからはずっと右肩下がりで保有はしていませんが悲しくなります。
正直、28億円は厳しい結果でしたね。ここ最近は介護施設の不正請求のニュースがよく取り上げられていますが、悪いことだけではなく良いことも報道してほしいものです。
ルールをしっかりと把握できていなかった点もあったり、管理者がその程度は問題ないだろうという判断が監査で指摘されるケースも多いです。
管理者していた際の経験談
私も管理者を経験していますが、段階を踏んで管理者になる方もいれば急遽管理者が退職するため他にいないから管理者になるパターンもありますよね。
急遽管理者になった際は、介護保険の細かいところまでは把握できていないことは多いと思います。そのため、法人内でフォローをしていくものですが、細かいところまではフォローできないものです。
前の管理者がしていたから継続して行っていたことが、監査で指摘を受けて不正だったということも実際にありました。思い込みを変えることは難しいことで、日頃行っていたことが間違いとは考えにくいです。ただ、それだと不正請求となるため再度介護保険について学ぶことが管理者には必須となります。自分の身を守るためにもですね。
施設管理者時代に加算要件の把握が不十分で返還を余儀なくされた経験があります。介護報酬の仕組みは非常に複雑で、頻繁に改定もあるため、管理者にとって完璧に理解して運用するのは容易ではないです。
ただ監査時に思ったのは、役所の担当者は介護保険法の辞書みたいな数百ページあり字も小さく、ここに担当を決める必要性があると明記されていますと言われましたが介護保険法のすべてを頭で把握している人はどこにいるのかとは自分の知識不足がいけないのですが思ってしまいました。
不満ばかりの内容かもしれませんが、介護業界で管理者になったからといって、年収が大きく上がることはありません。九州では管理者なりたては地域差もありますが350万前後、ベテラン管理者であっても良くて500万前後ではないでしょうか。
人の命を預かり、介護保険が更新するたびに勉強し、部下の教育、クレーマーな家族の対応、夜間呼び出しなどとかなりきつい仕事内容を介護施設の管理者は行っているということだけは知っておいてほしいと思います。
まとめ
話しが脱線してしまいましたが両社に共通するのは、介護関連事業の底堅さと、利益を圧迫する人件費増のジレンマがあります。
人材不足が深刻化する中、賃上げによる採用・定着は避けては通れず、介護報酬は基本的に据え置かれるため、収益を圧迫してしまう。介護報酬の改定もされていますが、時代の賃上げやインフレには追い付いていないです。
高齢化のトレンドは今後も続く以上、セクター全体の成長余地は大きいと言えますが、企業が大きくなることにより不正が起きないかと心配な面が悩みです。
他の株式投資をしている方に、介護業界の企業をお薦めするかというと不正のリスク、人手不足の問題は長く続いているためお薦めはしにくいです。介護企業は国内だけのビジネスが主ですが、グローバル市場での高いシェアのパラマウントベッドに期待していますね!
介護施設向けのみならず、在宅や病院など、幅広い顧客基盤を持っているのは強いです。心不全分野への参入も、高齢者医療の大きな課題解決に期待していますし期待しかありません。
個人的には健康事業は参入できる課題は大きそうですが、一般家庭で使用目的のマットレスや電動ベッドでないベッドも参入できる隙間があるのであればちょっと面白そうには思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。