自転車保険の義務化のニュースを見ることが時々あります。
私は福岡なので『努力義務』であり会社では、強制ではないが加入を勧めています。
しかし、取引先の銀行から話しがきたのもあり保障が多すぎるよくない保険(約月800円)が案内されたので、職員にも伝えるために記事に調べ上げた結果を私なりにまとめました。
結論として多くの方は、
自転車保険にわざわざ加入する必要性はなく、個人賠償責任保険に加入しておけば自転車保険に加入していなくても大丈夫
会社が証明書を求めてきましたら個人賠償責任保険に加入している証明書を提出したらよいです。
・個人賠償責任保険に加入していれば、自転車保険は不要
・自転車保険に加入するべき対象の方
自転車保険が義務化された背景
全国で令和元年(2019年)の約6分32秒に1件の割合で自転車事故が発生しています。
年間の事故発生の推移をみますと、年々減少傾向にあり10年間で約半分に減っていますが対人との事故件数は変わっていません。
単独の事故も増えており、ながら運転の影響が大きいのかと推測しています。
引用:警察庁の統計データ 自転車乗用車の事故類型別交通事故数の推移
義務化が進んでいる理由としいては高額賠償が増えてきたからです。
最も有名なのは2008年8月に起きた事故で約9,500万円もの賠償請求となりました。
事故の内容は、小学生の子供が乗っていた自転車にぶつかった67歳の女性が事故が原因で植物状態となってしまい、子供が起こした事故なので監督責任がある親が賠償することになりました。
他にも9,000万円前後の賠償請求となった事故は件数は多くないものの全国にいくつかみられます。
また、私も調べている中で知ったのですが高額賠償された際に自己破産をしたらいいという話しをどこかで聞いたことがありましたが、損害賠償の賠償は自己破産をしても支払いの義務は残るそうです。
賠償金額が高額のケースがあるということで、悪質な事故を起こした際に普通の日常生活が行えなくなるリスクがあるため、自転車保険のニーズが広まってきており義務化に取り組む自治体が増えてきています。
自動車保険もそうですが、事故を起こしてしまった際に生活に大きく支障をもたらす可能性があるのであれば加入は必要な保険になります。
義務化されている地域、努力義務の自治体
全国的にはまだまだ義務化されている自治体は少ないです。
2020年の4月に東京都、奈良県、愛媛県が新たに加わりました。
全域ではないけども一部の市だけ義務化の地域も増えてきており、全て載せると多いので一部だけ記載しておきます。
大きな都市がある都道府県に加え四国、九州が多いですね。
【完全義務化】
東京都・大阪府・京都府・埼玉県・神奈川県・滋賀県
奈良県・兵庫県・鹿児島県・長野県・静岡県・愛媛県
【一部義務化】
仙台市(宮城県)
金沢市(石川県)
名古屋市、豊川市(愛知県)
松江市(島根県)
・・・その他にも多数あり
【努力義務】
北海道・千葉県
徳島県・香川県・高知県
福岡県・熊本県
個人賠償責任保険に加入しているか確認
個人賠償責任保険は特約として契約されている可能性があるためまずは加入しているか確認から始めてください。
自動車を保有されている方は入られている自動車保険、火災保険の契約内容を見直してください。
クレジットカードでも自転車保険(個人賠償責任保険)がありますので、加入した覚えがある方はこちらも確認されてくださいね。
私はソニー損保の自動車保険に加入していますが、特約で付けています。示談交渉もあり、最大3億円まで補償してくれます。
年間で2,000円もしない程度で補償され対象範囲が広いためとても安いです。
個人賠償責任保険は自転車保険よりも対象範囲が広い
個人賠償責任保険は、日常生活で発生するトラブルに対応した保険になります。
特に子育て世帯は、他人に怪我をさせたり物を壊したりと発生しそうなことなので付けておくべきでしょう。
補償内容は下記の通りです。補償額の最大は内容にもよりますが、1億円が多いです。
- お風呂場や洗濯場の水漏れで下の階の方に損害が発生した
- 子供が他人の家のガラスを割った
- お店の備品などを壊した
- ペットが他人を噛み怪我をさせた
- 自転車事故にも対応
注意する点としては、下記の場合は補償の対象外になります。
- 故意による破損
- 預かり物や借り物を破損した場合
- 仕事上のアクシデント
個人賠償責任保険は家族も対象になる!
個人賠償責任保険の多くは被保険者(契約者)と「生計を共にする同居の親族」も補償の対象となるのが、非常に魅力的です。
自転車で例えると、親だけでなく子供も自転車を使用する場合はお互いに自転車保険に加入しておくことになりますが個人賠償責任保険は子供も補償対象になりますので個別に契約するなど手間がかかりません。
※自転車保険の多くは個人、家族含むなど対象となる範囲を選択はできます
個人賠償責任保険には単体では契約できない
個人賠償責任保険は掛け金が安いということもあり、現状では単体で加入することはできず自動車保険、火災保険などの特約として加入できます。
他にも県民共済やこくみん共済に加入している方は、特約で付けることもできます。
自転車保険に加入するべき対象の方
個人賠償責任保険に加入が難しい方は、自転車保険の加入を検討しましょう。
既に個人賠償責任保険に加入されている方は、自転車事故を起こした際に最悪なケースに備えることができていますので私はわざわざ自転車保険に加入する必要はないと考えています。
ただ、自転車でツーリングしたり遠方に行くことが多い方はロードサービスがある自転車保険に加入もありますので、こちらはお薦めですので別途まとめて紹介したいと思います。
遠方で自転車が故障したりした際に、土地勘がない中で修理してくれるお店を探すのも手間ですし何より近くに修理屋がない可能性もあります。
そのため、何かトラブルがあった際のために自転車保険に加入はありですし金額的にも一般的な生命保険や医療保険などと比べると格安で安心が手に入るのでいいと考えます。
個人賠償責任保険に加入していない方へのお薦めは「サイクル安心保険」
個人的には全日本交通安全協会の自転車保険がお薦めです。
自転車会員専用で団体保険の「サイクル安心保険」になります。運営は保険会社大手の損保ジャパンなので安心感もあります。
また県によっては県民のための自転車保険がありますので、もしあればそちらの方が掛け金が安いので確認してみましょう。
私の住んでいる福岡県では福岡県交通安全協会が「ふくおかの県民自転車保険制度」を案内しており、下記の賠償のみプランと同じ内容が年間1,000円で提供されています。
プラン内容は下記の3つでシンプルなのもいいです。
賠償のみプラン | 個人賠償プラン | 個人+家族賠償プラン | |
賠償責任 | 1億円+示談交渉 ※家族も対象 |
1億円+示談交渉 ※家族も対象 |
1億円+示談交渉 ※家族も対象 |
怪我の補償(個人) | なし | 死亡・後遺障害保険金 1,000万 入院保険金(日額) 2,000円 |
死亡・後遺障害保険金 1,000万円 入院保険金(日額) 3,000円 |
怪我の補償(家族) | なし | なし | 死亡・後遺障害保険金 750万円 入院保険金(日額) 3,000円 |
年間掛け金 | 1,230円 | 2,650円 | 4,380円 |
※年間掛け金には自転車会員の年会費30円なども含まれています。オンラインでの申込の価格で郵送での申込だと200円高くなります。
賠償のみのプランでも相手との示談交渉のサービスも付き、家族全員が対象で年間1,230円は安く1番のお薦めです。
対象の範囲ですが、同居されている親族は全員対象で学生で未婚の別居しているお子さんも対象になります。
怪我の補償に関しては、既に生命保険などに加入されていると思いますので不要だと考えます。
医療保険は全ての入院などに対して保険金が発生しますが、自転車保険は自転車のみと限定的すぎるためです。
◇サイクル安全保険へのリンク
まとめ
自転車保険に加入する義務化する都道府県は増えていますし、高額な賠償が請求される可能性があるので自転車をよく使う方は保険に加入を検討されるといいです。
今回の記事のまとめは下記の通りです。
- 事故件数は10年間で約半分に減少しているにもかかわらず、対人との事故件数はほぼ変わらない
- 高額賠償で9,000万も請求される可能性がある
- 個人賠償責任保険に加入していたら、自転車事故も補償対象
- 自転車保険に加入するならサイクル保険がお薦め
少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。