『経済評論家の父から息子への手紙』は、著名な経済評論家・山崎元氏が大学に入学した息子へ宛てた手紙をもとにした、人生とお金についての指南書です。
私の娘はまだ8歳ですが、中学生ぐらいになったらこの本を読んでもらいたいと強く思います。
内容は難しい言葉は少なく、非常に共感する内容で現代社会に合っていると感じました。
私自身は投資関連の本を何冊も読んでいるので新鮮さはなかったものの、言い回しが面白く山崎元さんが出ているテレビやYouTubeを見ていたのもあり、すぐ傍で語ってくれているかのような感じで読んでいると時間を忘れて読んでしまいました。
スラスラと読めて読むのが遅い私でも3、4時間くらいで読み終わりました。
投資だけでなく人生に関しても語っており、山崎元さんがどういう人生を生きられたのが伝わり間違いなく良本です。
以下に、本書の主な内容を要約します。
『経済評論家の父から息子への手紙』の概要
- 著者:山崎元
- 出版社:学研(Gakken)
- 発売日:2024年02月15日
- ページ数:192ページ
- 価格:1,760円(税込)
この本は、経済評論家である山崎元さんが大学に入学した息子へ宛てた手紙をもとに書かれています。
お金と人生、幸せについての指南書として、これから大人になる子供たちや親に向けて書かれています。また、本書は山崎元さんの最後の書き下ろしであり、山崎元さんが余命を宣告された後に書かれました。本書は発売2週間で7万部を突破しています。
- これからの時代の働き方:一昔前は、大企業に就職して勤めあげることが成功と考えられていましたが、今では大企業に就職できたからといって、必ずしも成功だとは言い切れません。これからの時代は、株式とうまく関わることが重要である。
- お金の運用に必要な知識:大きな資産を築くための方法は、株式と関わりながら働く以外にもあります。手元にあるお金を運用して、お金を増やす必要があります。
- 保険とは損な賭けである:保険はリスクを分散させるためのものであり、必ずしも利益をもたらすものではありません。
- 幸福感は自分が承認されているという感覚である:社員や家族、友人や異性などの他人から自分は認められている、価値のある存在だと思われていることが幸福感を得るのに必須です。
- 自分の居場所を複数持って友達を絶やさない:1つの会社や1つのつながりに固執するのではなく、投資と同じように自分の居場所を分散投資しておくのが良いです。
この本は、これからの働き方やお金の運用方法、保険についてなど、多くの有益な情報を提供しています。これからの人生について考えるきっかけになる1冊です。
著者の山崎元さんとは
山崎元さんは、日本の著名な経済評論家でした。以下に彼の生涯と業績について詳しく説明していきます。
生涯:
山崎元氏は1958年5月8日に北海道で生まれ、多彩なキャリアを経て経済評論家として活躍しました。2024年1月1日に65歳で逝去されるまで、その知見を惜しみなく共有し続けました。彼は東京大学経済学部を卒業後、三菱商事を始めとする多くの企業で働き、12回の転職を経験しました。2005年からは楽天証券経済研究所の客員研究員として活動し、2023年3月に退職しました。その後は経済評論家として活動を続け、2022年に食道がんを公表しました。彼はその闘病生活を通じて、自身の考えを多くの記事に綴りました。
業績:
山崎元さんは、資産運用と経済全般の分析を専門としていました。彼はお金の運用、経済一般、転職と自己啓発といった分野で活動していました。また、彼は「正義の愉快犯」を自称し、金融業界の不都合な真実について強い信念で警鐘を鳴らしました。彼の影響力は大きく、彼が唱えた「ローコストのインデックス型の投資信託を、NISAを使って、長期で積み立てるのが、効率的である」という考え方は、今日では投資の王道となっています
そんな偉大なる山崎元さんは2024年の1月1日に亡くなりました。享年65歳で、食道がんのために亡くなったと報告されています。彼の貢献は、これからも多くの人々に影響を与え続けるでしょう。ご冥福をお祈りいたします。
【第一章】働き方・稼ぎ方
- 新しい働き方:効率性と自由を求める新しい働き方が提唱されています。昭和生まれの働き方常識は割が悪いと指摘されています。
- 大金持ちになる方法:大金持ちになる方法の鍵は「有利で安全なレバレッジ」であると述べられています。
- クビのコスト:クビのコストは総合的に小さいと説明されています。
- 時代の変化:時代はゆっくりと、まだら模様に変化すると指摘されています。
以上が、第一章「働き方・稼ぎ方」の要点です。この章では、新しい働き方や大金持ちになる方法、クビのコスト、時代の変化などについて詳しく説明されています。これらの知識は、これからの働き方や稼ぎ方を考える上で非常に有益です。
私も実感していますが適度なリスクは必要です。仕事でもそうです。極力ミスがないように試行錯誤したりするでしょうが、100%ミスをしないことはありません。PDCAの繰り返しで制度を上げていくものであり、株式投資も同じ考えで適度にリスクを持って行うのはメリットが大きいと考えています。
【第二章】お金の増やし方と資本主義経済の仕組み
第二章:この章では、大きな資産を築くための方法が説明されています。具体的には、次の3つの基本を押さえておくことが重要です
- 生活費の3〜6ヶ月分を銀行の普通預金に取り分ける。
- 残りを「運用資金」とし、全額を「全世界株式のインデックスファンド」に投資する。
- 運用資金に回せるお金が増えたら同じものに追加投資する。
本の中で、労働者Aタイプと労働者Bタイプで説明をしている項目があり、分かりやすい表現だなと思いました。是非、本を手に取って読んでほしい項目です。
【第三章】もう少し話しておきたいこと
第三章:この章では、働き方について説明されています。特に、株式とうまく関わることが重要であると強調されています。そのためには、次の4つの方法が紹介されています。
- 自分で起業する。
- 早い段階で起業に参加する。
- 報酬の大きな部分を自社株ないし自社株のストックオプションで支払ってくれる会社で働く。
- 起業の初期段階で出資させてもらう。
【最終章】小さな幸福論
最終章:この章では、小さな幸福論が語られています。具体的には、「モテない男は幸せそうに見えない」など、幸せについての視点が提供されています。
人としての幸福とはどういうものか、大きな幸福を求めず1人の人間として2割増しくらいを目標にすると良いというのは実際に目標にしやすいものだと思います。
本人とは対面したことは当然ありませんが、本を通してその方の生き方や人生観を学べるのは本当に勉強になります。すべてが自分自身にとって参考になるかというとそうではありませんが、こういう考え方もあり違う視点でみると面白いです。
是非、少しでも気になった方は本を手に取り読んでみてください。特に子育て世帯の年代(30、40代)の方にはより共感するのではないでしょうか。
最後に、本書は紙媒体での購読をお勧めします。「息子への手紙」という表紙の言葉が、読者に自身の子どもや将来世代への思いを喚起させ、より深い読書体験を提供するからです。また、何度も手に取り、繰り返し読むことで、著者の人生哲学をより深く理解できるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。