【介護】認知症の入居者への暴力・暴言行為。なぜ起きる?

最近、よく介護者が入居者に対して暴力行為を行い逮捕されました的な報道が多くなってきました。今回はなぜ、このようなことが起きるのか考えていきます。

このような事件を起こすと介護の仕事をしている人はよくないという印象を世間は受けるかもしれません。事件を起こした人にも問題はありますが、現状の日本の介護がそれだけ大変で運営が難しくなってきているともいえます。
よくない報道が増えると、今でも人手不足という業界なのに、さらに人手不足が進むのではないかと思い同じ介護を行う者として心配で仕方がありません。

過去に発生した事件

  • R1.7.22:神奈川にて、介護支援施設で男性入居者の顔を殴り打撲などのけがを負わせた。介護職員は男性(58歳)理由。「暴言を吐かれ我慢できなかった」
  • R1.7.19:札幌市にて、訪問介護サービスの相手の男性を暴行し死亡させた。介護職員は男性(24歳)
  • R1.6.18:北広島町の介護施設で髪を掴むなどの暴行で介護福祉士の女性(26歳)が逮捕

暴力行為はなぜ起きる?


介護者側に思われる要因

どこの施設でも、過去に暴力行為は少なからず発生しているのではないのかと思います。
どこからを暴力行為と受け止めるかは難しいところです。小さいところでいえば、ベッド移乗の際にベッドの高さの認識を誤り低かったためにドスンと音を立てて座らせてしまったら暴力行為と同じではないかと受け止める方もいるかもしれません。声掛けしても反抗したため手を引っ張った、利用者様から叩かれて反動で手がでてしまったなど暴力行為と一言にいっても多く難しいです。

介護職員とはいえども、重労働のため疲れがたまり適切な対応を行う気持ちで行動していても、ふとした瞬間にカッとなり手がでてしまうことはあると思います。

正直なところ、私自身もあります。職場では「〇〇さんはやさしい」、「家庭でも怒るイメージが浮かばない」など言われたことはありますが夜勤を行っていて1番眠たくなる時間帯(深夜0~4時)は利用者様から何度もセンサーが鳴ると、声掛けが荒くなったことがあります。

  • 「5分前にトイレにいったばかりだから寝てください」
  • 「まだ夜中だから起きるのは早い」
  • 「部屋からでてこないで」

上記のようなことを言ってしまったことがあります。これらは暴力行為ではないですが、言葉の暴力・虐待になります。後になって、よくない発言をしてしまったと反省を何度したことか。。

 

入居者への要因

基本的に、介護職員の暴力行為は利用者様に問題行動があり、それが蓄積しストレスに繋がり起きてしまうという流れがあります。

認知症がありますから、自覚がなくしてしまうことがほとんどです。問題行動を見つけて早めに職員で話し合いを行い、対応方法を検討することが大切なのかと思います。

予防するために必要な4つのポイント

職員のストレスチェック

厚生労働省から「5分でできる職場のストレスセルフチェック」がありますので、下記にリンクを貼っていますので活用してみるといいと思います。ちょっと、最近精神的に疲れているように思う職員に試しにしてもらうといいかと思いますね。ただ、こういうのは基本的に「何で私が?」って感じで思われるので言い方は職員にあわせて変えることをお薦めします。

5分でできる職場のストレスセルフチェック(厚生労働省「こころの耳」)

ちなみに私もしてみましたが結果は特に問題なしでした。

日々の業務の様子で変化がないか

これは管理者目線ではありますが、職員の様子の変化に周囲が気付くことはとても大切です。

共に仕事をしてきた仲間だからこそ、気配り目配りを行い気が付くようにしましょう。寝不足や遊びすぎての疲れが理由なら、「なんだ~心配したやん」程度でいいですが、答えられない理由であれば精神的な疲れかもしれないので注意しておきましょう。

人間だれしも相性がある。変わる勇気

利用者様でも好きな利用者様、苦手な利用者様は誰でも少なからずあります。

苦手な利用者様の担当になってしまうと、それだけストレスに繋がります。多少ならいいですが、暴言など虐待に繋がっているのであれば担当を変えてもらうようにお願いするべきです。介護での事件は、会社内だけでとどまらず警察ざたになりえるからです。もし、虐待ということで逮捕されることになれば人生が変わってしまいます。

無理せず、協力できる体制、また相談できる環境作りが大切だと考えます。

呼吸してから行う

仕事中にストレスを感じてしまったときは、利用者様の介助に入る前に深呼吸することは非常に大切です。

  • 感情が落ち着く
  • 冷静な判断ができるようになる
  • 介助に入る前段階の準備と捉える

介護にかかわらず、大事な電話をする時などは自然と意識しないで深呼吸をしているかと思います。1つ1つのケアが大切である介護は日頃から何かあれば深呼吸をしてから取り組むことは大切です。

まとめ

介護業界での事故・事件は、今後も高齢者が増え介護職員の人材不足という観点から増えてくると思われます。

施設側も人材が足りないなら規模を縮小するなど必要かもしれません。ただし、そうなると入所したいけどできず家族で介護するしかないということになり国としてはマイナスになってしまいます。平均年収が低いということで改善を国が行ってきていますが、他にも対応をしないと難しいと思います。

介護の問題は日本の大きな問題であり、外国人の雇用も今後増えていくのではないかと思います。また、技術の発展で人材不足を補えるようなものができ、医療の発展で認知症に効果があるよりよい薬ができればいいと考えます。

 

 

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